本作を読み解く上で欠かせないのが、原作・内藤泰弘氏によるTVアニメ『血界戦線』との関係性です。物語の舞台となる「ヘルサレムズ・ロット」は、異界と現世が交差したことで日常的に怪物や超常現象が跋扈する、文字通りの異常都市です。しかし、そこに暮らす人々は、異常を異常として恐れ続けるのではなく、それを新たな「当たり前の生活」として受け入れ、たくましく生きています。
この設定が、歌い出しのフレーズに鮮やかに投影されています。
「超天変地異みたいな狂騒にも慣れて こんな日常を平和と見間違う」
天変地異のような混乱であっても、長く晒されれば人間は適応し、それを日常と錯覚してしまう。これはアニメの描写であると同時に、予測不能な出来事や情報過多に晒される私たちの現実そのものを突いた冷徹な観察眼です。甘い蜜ばかりではない、苦味に満ちた現実(ビターステップ)を前提としながら、それでもステップを踏むことをやめない主人公たちの姿が、五線譜の上で見事に躍動しています。