梅干しの種類が「白干し(塩のみ)」か「赤紫蘇漬け」かによっても、最終的に梅酢へ戻すべきかどうかの判断は分かれます。
赤紫蘇漬けの場合、赤紫蘇に含まれる天然色素「シソニン(アントシアニン系)」は酸性の環境下で鮮やかな赤色に発色します。そのため、土用干しを終えた梅と乾燥させた赤紫蘇(ゆかりの素)を再び赤梅酢に漬け戻すことで、梅の芯まで美しい紅色が均一に染み渡ります。赤紫蘇の豊かな香りを梅干し全体に移すためにも、赤紫蘇漬けは「梅酢に戻して本漬けする」手法が最適です。
一方、塩だけで漬け込む「白干し」では、天日干しが終わった時点で梅酢に戻さず、そのまま保存瓶や陶器の壺に詰めるのが主流です。干し上がった直後は表面が白っぽく粉を吹いたように見えますが、密閉容器に入れて冷暗所で3か月から半年ほど寝かせると、梅自体の油分と塩分が馴染み、琥珀色のしっとりとした艶が自然に戻ってきます。