心理学的なアプローチを用いることで、相手の防衛反応を刺激せずに信頼関係(ラポール)を築くことが可能です。警戒心が強い人と打ち解ける方法として実証されている、代表的な警戒心を解く心理テクニックを紹介します。
第一に有効なのが、「段階的自己開示の返報性」です。相手にいきなり秘密を聞き出そうとするのではなく、自分から「ちょっとした失敗談」や「無害な弱み」を先に開示します。完璧な人間を演じる相手には警戒が働きますが、自ら適度な隙を見せる相手には親近感が生まれ、相手も安心して小さな自己開示を返せるようになります。
第二に、「ペーシングとパーソナルスペースの維持」です。会話のテンポ、声のトーン、話すスピードを相手に合わせます。物理的な距離感も、無理に詰めようとせず、相手がリラックスできる距離(一般的には1.2メートル以上の社会的一対一距離)を保ちます。相手のリズムを乱さない配慮こそが、「この人は自分を脅かさない」という無言のメッセージになります。