世界中の音楽ファンを困惑させ、虜にしてきたParty Cannonのロゴ誕生の理由は、ジャンル特有の「お決まり」に対する痛快なアイロニー(皮肉)と、合理的なマーケティング戦略にありました。
ブルータル・デスメタルやブラックメタルの世界では、ロゴが過激であればあるほど「読めないほど複雑で攻撃的なデザイン」になる傾向があります。2010年のバンド結成当時、メンバーたちはフェスのポスターを見渡した際、どのバンドロゴも黒一色のトゲトゲした塊に見え、名前が判読できない現状に強い違和感を抱いていました。「誰も読めないなら、自分たちは子ども向け玩具店『トイザらス』や90年代のカートゥーン番組のように、誰でも一瞬で読める最高にポップでカラフルなデザインにしよう」と決断したのが、トイザらス風ロゴの由来です。
過剰にシリアスでダークな世界観を重んじるアンダーグラウンド・シーンにあって、Party Cannonの明るいカラーリングと丸文字フォントは、一見すると完全な異分子でした。しかし、この狙いは完璧に的中することになります。