自治体が実施する1歳6か月児健診や2歳児健診(歯科相談や発達フォロー相談を含む)で「言葉の遅れ」を指摘され、「要観察」という判定を受けると、まるで我が子に障害の烙印を押されたかのように受け止めてしまう保護者も少なくありません。しかし、公衆衛生の観点から言えば、健診における「要観察」は診断名ではなく、「孤立した育児環境を防ぎ、定期的な見守り体制を敷くためのセーフティネット」です。
自治体の保健師や心理相談員は、要観察となった家庭に対して数か月ごとの電話相談や親子教室(発達フォロー教室)への参加を提案します。この段階で重要なのは、恐れずに公的なサポートネットワークに乗ることです。
では、どのタイミングで医療機関を受診すべきなのでしょうか。以下の項目に複数当てはまる場合は、小児科、小児神経科、または発達外来への受診を検討する目安となります。
- 2歳を過ぎても意味のある単語が1語も出ておらず、指差しもしない
- こちらの簡単な指示(「ちょうだい」「おいで」など)が全く伝わらない
- ささやき声や物音に反応が鈍く、耳の聞こえ(聴覚障害や滲出性中耳炎)に疑いがある
- 視線が極端に合わず、他者への関心が著しく薄い
- 言葉の遅れに加えて激しいかんしゃくや睡眠障害があり、日常生活の維持が困難
受診先や地域の療育(児童発達支援事業所)へのアクセスについては、まず市区町村の「保健センター」「子育て世代包括支援センター」「児童相談所・地域療育センター」が第一次の相談窓口となります。専門医療機関の発達外来は初診予約が数か月から半年待ちとなるケースも珍しくないため、違和感を覚えた段階で地域の保健師へ相談し、待機期間中も療育や親子教室で支援を受けられる体制を整えておくのが賢明な選択です。