この楽曲が単なるCMソングの枠組み組みを遥かに超えて広がった背景には、制作陣の並々ならぬ熱量と運命的なクリエイティブの結合がありました。
作曲を担当したのは、沖縄の心を歌い続けるバンド・BEGINのギタリストである島袋優氏です。CM制作サイドからの「浦ちゃんが海辺で歌う三線の曲を作ってほしい」という依頼を受け、島袋氏は沖縄音階の持つ郷愁と、フォークソングの普遍的なメロディラインを融合させました。シンプルでありながら一度聴いたら忘れられない旋律は、まさに島袋氏の職人技の結晶です。
そして、そのメロディに命を吹き込んだのが俳優・桐谷健太でした。当時の制作関係者の証言によると、桐谷は単にボーカルを当てるだけでなく、「浦島太郎として自ら三線を弾いて歌わなければ嘘になる」と一念発起し、多忙なスケジュールの合間を縫って指から血がにじむほどの三線特訓を重ねました。
CM放映直後から「あのフルバージョンはどこで聴けるのか」「音源化してほしい」という問い合わせがレコード会社やauへ数万件規模で殺到。当初はCM用のショートサイズのみの予定だったものが急遽フルサイズとしてレコーディングされ、2015年12月にデジタルシングルとして配信が開始されました。その後、2016年にリリースされた桐谷健太の初アルバム『香音-KANON-』のリードトラックとしても収録され、フィジカル・デジタルの双方で圧倒的な支持を確立したのです。