ランキング上位のタイトルを俯瞰すると、ひとつの冷酷な事実に突き当たる。上位作品のほとんどが、ウォルト・ディズニー・スタジオの傘下、あるいはその配給網から送り出されたものだという点だ。20世紀スタジオの買収により『アバター』を手中に収め、マーベル、ピクサー、ルーカスフィルムを束ねるディズニーの独占的な支配力は、市場において圧倒的だった。
しかし、その盤石な構造にも亀裂が走り始めている。自社ストリーミングサービスDisney+の普及は、皮肉にも「数カ月待てば自宅のテレビで観られる」という心理的ブレーキを劇場ファンに植え付けた。数億ドルを投じた大作であっても、劇場へ足を運ばせる明確な理由がなければ観客は動かない。興行の巨人は今、自らが作り出したデジタルエコシステムとの共食いという難題に直面している。