そうめん茹でにおける最大の悲劇といえば、一瞬目を離した隙に泡が吹きこぼれ、五徳やトッププレートを白濁した煮汁で焦げ付かせるあの惨劇だろう。拭き掃除の面倒臭さは、夏場のやる気を容赦なく削ぎ落とす。しかし、火を消す方式では泡立ちそのものが完全にストップするため、吹きこぼれの発生確率はゼロになる。
恩恵はコンロ周りだけに留まらない。麺から過剰なデンプンが溶け出さないため、茹で湯のドロつきが激減する。結果として、茹で上がった後に流水で麺を揉み洗いする工程が劇的にスピーディになるのだ。何回も水を替えて執拗にぬめりを取る必要がなく、サッと洗うだけで麺本来の小麦の香りを残したままスッキリと仕上がる。ざるやボウルにこびりつくベタつきも少なく、食後の片付けまで驚くほど軽やかだ。