ネット上の相談掲示板やSNSでは、「有給を断られたが、これは法律違反なのか」という悲痛な叫びが日常的に飛び交っています。結論から申し上げれば、会社が労働者の有給休暇取得を完全に「拒否」することは、労働基準法違反です。
根拠となるのは労働基準法 第39条です。同条において、有給休暇は法定要件(雇入れから6カ月継続勤務、全労働日の8割以上出勤)を満たした時点で労働者に当然に発生する権利と定められています。労働者が「〇月〇日に休みます」と指定する権利を時季指定権と呼び、この意思表示をした瞬間に休暇が法的に成立します。つまり、有給の取得に会社の「許可」や「承認」は本来必要ありません。
それにもかかわらず、「業務が回らないから有給は認めない」「有給休暇の拒否理由をわざわざ並べ立てて諦めさせる」といった対応が現場でまかり通っています。会社側に与えられているのは、どうしても業務に致命的な支障が出る場合に限り、日程を「変更」させる時季変更権だけであり、休暇を奪う権限など微塵も存在しないのです。