ワカモレ(スペイン語:Guacamole)は、熟したアボカドを主原料に、トマト、玉ねぎ、唐辛子、香菜(パクチー)、ライム果汁などをすり潰して混ぜ合わせたメキシコ料理の定番サルサ(ソース)です。その語源は、先住民族ナワトル族の言語でアボカドを意味する「アワカトル(āhuacatl)」と、ソースを意味する「モッリ(mōlli)」が融合した「アワカモッリ(āhuacamōlli)」に遡ります。16世紀にスペイン人が中央アメリカに到達する以前、14世紀頃のアステカ帝国時代から食されてきた極めて歴史の深い伝統料理です。
日本の食卓や居酒屋メニューで混同されがちなのが、アボカドディップとの違いです。両者の決定的な差異は、使用する調味料と油脂の設計にあります。
欧米や日本の家庭で作られる一般的なアボカドディップは、マヨネーズ、サワークリーム、クリームチーズ、ヨーグルトといった乳製品や動物性油脂を加えてコクを出します。これに対して、伝統的なワカモレはあくまで植物性食材のみで構成されるアボカドサルサソースです。アボカド自体の持つ良質な植物性脂肪分(オレイン酸)をベースに、生の玉ねぎの辛味、トマトのグルタミン酸、そしてフレッシュなライムの酸味と塩だけで味を完成させます。濃厚でありながら後味が驚くほど爽やかである理由はこの原材料の純度の高さにあります。