前髪が失敗した際、パニックに陥ってネット上の誤った情報に飛びつくのは極めて危険です。ここでは、現場の毛髪診断士やトップスタイリストが警鐘を鳴らす「やってはいけないNG行動」と、ネット上の誤解を是正します。
最も回避すべき最大の誤りは、「失敗した前髪に市販の縮毛矯正剤を使ったり、別の美容院ですぐに再縮毛矯正をかけたりすること」です。針金前髪を丸くしたい、あるいはチリチリした毛をまっすぐに伸ばしたいという動機から再度還元剤を作用させると、すでに体力の残っていない毛髪は完全に限界を迎え、根元から溶けるようにちぎれる「断毛事故」を引き起こします。一度ビビリ毛になった部分は、いかなる最新薬剤を用いても健康毛の状態に戻ることは物理的にあり得ません。
また、「毎朝180℃〜200℃の高温アイロンで力任せに内巻きにする」という行為も傷口を広げる典型例です。熱変性で硬化した髪にさらなる高熱と物理的圧力を加えると、毛髪内部のコルテックスが空洞化し、キューティクルが完全に剥落します。一度失われた毛髪の脂質やタンパク質は自然治癒しません。
さらに、「縮毛矯正の前髪はパーマをかければ自然に内巻きになる」という俗説も危険な罠です。縮毛矯正によって強力に変性固定された前髪に通常のパーマ液を作用させても、綺麗なカールが出る確率は極めて低く、大半はより強烈なビビリ毛へと転落します。パーマによる形状変更は、熟練の縮毛矯正専門サロンが特殊な弱酸性カーリング料を用いて行う場合に限られます。