事件が街と社会に与えたインパクトは計り知れません。現場となった秋葉原の歩行者天国は、事件直後から全面中止に追い込まれました。安全対策や防犯カメラの増設、ボランティアによるパトロール態勢の整備などを経て、約2年7ヶ月後の2011年1月に再開されたものの、かつてのような無秩序な路上パフォーマンスは厳格に規制され、安全管理を最優先する街へと姿を変えました。
一方で、秋葉原事件の被害者や遺族の現在は、決して時間が解決してくれるものではありません。命を落とした若者や警察官の遺族は、愛する家族を理不尽に奪われた深い悲しみを抱え続け、重傷を負った生存者の中には、今なお身体の麻痺や深刻なPTSD(心的外傷後ストレス障害)などの後遺症に苦しんでいる方々が少なくありません。
死刑が執行されたからといって被害者の苦痛が消えるわけではなく、毎年6月8日には現場の交差点に多くの献花が手向けられ、失われた尊い命への追悼と祈りが捧げられています。