今回の新事業立ち上げは、構造転換を迫られて久しい日本の造船・重工業界全体に大きな波紋を広げている。国際海事機関(IMO)による環境規制の厳格化を受け、世界中の船主(シップオーナー)たちが一斉に次世代船へのリプレースを模索する中、同社が打ち出した高い燃費性能と耐久性は市場の評価基準を一変させた。
特に世界的な海運・物流業界へ与えるインパクトは絶大だ。サプライチェーン全体の脱炭素化(Scope 3)が顧客企業から強く求められる現在、佐伯の地から生み出される次世代船は、大手海運会社にとって喉から手が出るほど欲しい切り札となる。すでに欧州やアジアを結ぶ主要航路での就航を想定した商談が進んでおり、今後の市場シェア再編に向けた決定打となると見られている。