プロジェクトの裏には、大手スタジオであるワーナー・ブラザースの複雑な思惑が交錯していた。当時、社内試写会で提示された映像の先鋭さに、幹部陣の意見は真っ二つに割れたという。あまりに攻めた描写が、当時の放送基準においてビジネス上のリスクとみなされたからだ。
しかし時代は変わった。独自のプラットフォームであるHBO Max(現Max)を擁する同社にとって、他社には真似できないエッジの効いたコンテンツの確保は最優先事項となった。かつて「時期尚早」として倉庫の奥深くに眠っていた未公開テープが、今や同社の戦略的切り札として再評価されている現実は、時代の変化を雄弁に物語っている。