館内に一歩足を踏み入れると、まず目を奪われるのが水量1,500トンを誇る「黒潮大水槽」だ。ここには、黒潮の流れに乗ってやってくるマグロやカツオ、大型のエイ、そして圧倒的な存在感を放つジンベエザメの「ユウユウ」が悠々と泳ぐ。光が差し込むブルーの水槽は、まるで本物の海底に潜り込んだかのような錯覚を覚えさせる。
しかし、この展示には他とは違う大きな特徴がある。それは「海上放流」という独自のシステムだ。水族館で一定の大きさに育ったジンベエザメは、野生に返すための訓練を経て海へと戻される。命を「所有」するのではなく、「預かり、育み、還す」という循環型の思想が、この水槽の美しさをより深いものにしている。