SNSやネット掲示板(Yahoo!知恵袋など)を調査すると、「子どもがフッ素入り歯磨き粉を丸ごと飲み込んでしまった」「毎日フッ素歯磨き粉を使っていると体内に毒が溜まるのか」といった保護者からの切実な声が数多く見受けられます。
これに対し、日本小児歯科学会、日本歯科保存学会、日本口腔衛生学会の合同見解では、年齢に応じた適正使用基準が明確に定められています。市販のフッ素入り歯磨き粉(一般的に950〜1450ppm程度)を1回に使用する量は、小児で米粒大〜グリーンピース大(0.1〜0.25g程度)です。この中に含まれるフッ素量はわずか0.1〜0.3mg前後に過ぎません。
人間におけるフッ素の急性中毒量(胃部不快感、嘔気、腹痛など)は体重1kgあたり約5mgとされています。体重15kgの幼児の場合、中毒閾値は約75mgのフッ素です。これは、市販のフッ素配合歯磨き粉チューブ(約60g)を丸ごと1本以上一気に絞り出して飲み込まない限り到達しない計算になります。万が一、1回分の歯磨き粉を誤飲したとしても、胃粘膜で吸収される量はごくわずかであり、大半は代謝・排泄されるため、重篤な急性毒性や体内蓄積を引き起こす懸念はありません。