小金井ストーカー刺傷事件において、社会的な怒りを増幅させた最大の要因が警視庁武蔵野警察署の対応批判です。冨田さんは事件の約2週間前、執拗な嫌がらせや「殺す」という脅迫メッセージに命の危険を感じ、母親とともに自宅を管轄する武蔵野警察署へ直接相談に訪れていました。
しかし、対応した署員らは以下のような重大な不手際と怠慢を重ねました:
- 書き込まれた脅迫メッセージの文面を直接確認せず、危険性の評価を著しく誤認したこと
- ストーカー事案を取り扱う専門部署(生活安全課)との十分な連携を怠ったこと
- 事件当日にライブが開催される小金井警察署への連絡・情報共有を一切行わなかったこと
- 冨田さんの緊急通報登録位置を誤って自宅に設定し、現場での即時急行が遅れたこと
事件直後に警視庁が行った内部調査でも「組織としての判断と対応に不備があった」と公式に過失を認め、本部長らが謝罪する事態へと発展しました。この痛恨の失態は国会でも激しく追及され、従来は「手紙やFAX、連続電話」などに限定されていた規制対象に、SNS上の執拗なメッセージ送信やブログへの書き込みを含める「改正ストーカー規制法」が2016年12月にスピード成立する決定的な契機となりました。