一方で、恩恵を受けるはずの労働者側からも、手放しの歓迎の声は聞こえてきません。時給が上がったとしても、スーパーで目にする食品や日用品、電気・ガス代の上昇幅がそれを上回っているためです。「給与明細の数字は増えたけれど、月末に残るお金は以前より減っている」というのが、多くの生活者のリアルな実感でしょう。
また、扶養控除の範囲内で働くパートタイマーにとっては、時給の上昇が「就業時間の調整」を強いる結果となっています。いわゆる「年収の壁」を意識するあまり、働く時間を短くせざるを得ず、結果として職場の深刻なシフト不足に拍車をかけるという皮肉な現象が各地で頻発しています。