正確な言葉遣いが求められる報道機関では、この問題をどのように扱っているのでしょうか。結論として、NHKの放送用語では原則として「しりつ」と発音する方針が定められています。
NHKのアナウンス基準において、「いちりつ」や「わたくしりつ」はあくまで俗称・慣用表現とみなされるため、ニュース原稿を読み上げる段階でアナウンサーが勝手に「いちりつ」と発音することはありません。しかし、放送を聞いている視聴者が「市立か私立か」で混乱する事態は避けなければなりません。
そのため、メディアの現場では以下のような言い換えの工夫が徹底されています。
・「横浜市立の小学校」と読まずに「横浜市が設置する小学校」や「横浜市の小学校」と表現する
・「私立大学」を伝える際は「民間の私立大学」や「私立(しりつ)の〇〇大学」と文脈で補足する
・テレビ画面のテロップ(字幕)に必ず漢字表記を大きく表示する
公的な厳密さを保ちながらも、視聴者の誤認を避ける二重三重の配慮が施されています。