作詞・作曲を布袋自身が手がけた本作のテキストには、映画のワンシーンを想起させる映像的な情景描写が散りばめられている。「さよなら」という直接的な言葉だけに頼ることなく、冷たい冬の空気感や二人の距離感を淡々と、しかし鋭利に描き出す筆致は秀逸だ。ドラマティックな別れを受け入れ、前を向こうとする大人の哀愁がそこに滲む。
同時期、彼は今井美樹への楽曲提供やプロデュースを通じて、シンガーの繊細な声質を引き出すメロディメイキングの手腕を急速に開花させていた。他者へ向けた楽曲提供で磨かれたリリシズムと、自身が歌うべきパーソナルな痛みが交差した地点に生まれたのが本作である。虚飾を剥ぎ取ったリアルな心情吐露は、聴く者それぞれの記憶にある「忘れられない別れ」と共鳴し、普遍的な強度を獲得した。