現場で直接の課題に直面するのは、全国の漁協を統括する日本内水面漁業協同組合連合会だ。かつては種苗放流事業を中心としていた現場の取り組みも、根幹からの見直しを余儀なくされている。ただ魚を放せば増えるという時代は終わった。流域全体の環境が整っていなければ、放流魚の定着率は著しく低迷するためだ。
これに対し、各地域の水産業に携わる人々は、研究者と手を携えた「流域一体型の保全モデル」へと舵を切り始めた。漁業者自らが川の清掃や幼魚の育成環境づくりを主導し、川の健康度をモニタリングする取り組みが全国各地で拡大している。地域資源としての川魚を守る闘いは、いまや伝統的な漁業の域を超えた住民参画型の運動へと変貌を遂げつつある。