かつては経験則や伝承として語られることが多かった東洋医学だが、近年その評価は世界的に一変した。世界保健機関(WHO)が多くの経穴(ツボ)の有効性を認め、国際基準を定めたことを皮切りに、西洋医学の臨床現場でも代替医療としての活用が本格化している。日本国内においても、かつて大きな反響を呼んだNHKスペシャル「東洋医学を科学する」を契機に、ツボ刺激が脳の血流や神経伝達物質に及ぼす影響の可視化が進み、科学的な裏付けを持つヘルスケア手法としての信頼性が決定づけられた。
ツボを適切に刺激すると、末梢神経を通じて信号が脳へと伝達される。すると交感神経の過剰な興奮が抑制され、副交感神経が優位になることで、乱れた自律神経のバランスが速やかに整う仕組みだ。東洋医学・鍼灸業界が長年培ってきたこの知見は、ストレスホルモンの分泌を抑え、深部体温や心拍数を安定させる効果があるとして、医療・福祉の現場でも高く評価されている。