企画が停滞しているように見える一方で、作品に対するキャスト陣の愛情は失われていません。特に大泉洋は、過去の舞台挨拶やロングインタビューにおいて「このシリーズは寅さんのように、自分が白髪になっても、ヨボヨボになってもやり続けたいライフワーク」と繰り返し語っています。松田龍平もまた、大泉とのコンビネーションについて「阿吽の呼吸で現場に入れる特別な場所」と信頼を寄せています。
また、原作のストックが枯渇しているわけではありません。東直己による原作『ススキノ探偵シリーズ』は、ハヤカワ・ミステリ文庫等で全10巻を超える長編・短編が刊行されています。
- 『探偵はひとりぼっち』:切なさとハードボイルドの純度が高い傑作
- 『向う端にすわった男』:ススキノの裏社会と日常が交錯する重厚なエピソード
- 『半端者(はんぱもの)』:泥臭い人間模様が色濃く描かれた人気作
このように、東直己の原作には映像化に耐えうる濃厚なプロットが多数眠っています。第3作は古沢良太によるオリジナル脚本の要素が強かったものの、第4弾が再始動する際には、あえて初期の東直己原作が持つビターで泥臭いノワール路線へと立ち返るアプローチも十分に検討されます。