川崎市営緑ヶ丘霊園における最大の関門は、その極めて高い公募倍率です。緑ヶ丘霊園はすでに全面造成が完了しており、現在実施されている一般墓所の公募は、過去の利用者が改葬や墓じまいによって市へ返還した「返還墓地」に限られています。
川崎市健康福祉局が発表する公募実績データを検証すると、普通墓所(一般区画)の平均倍率は5倍〜15倍前後で推移しており、特に駅から近い平坦地や4平方メートル前後の扱いやすい区画では20倍を超える激戦となるケースも珍しくありません。かつてのような無制限の新規供給が行われない以上、この需給ギャップは構造的なものとなっています。
一方で、近年の申込動向に変化をもたらしているのが「合葬型墓所」の存在です。身寄りのない単身者や「子どもに墓守の負担をかけたくない」という高齢世帯の増加を背景に、一代限りで供養を完結できる合葬型へのエントリーが急増しています。返還墓地が遺骨を所持する遺族を主に対象としているのに対し、合葬型墓所は生前申込み枠が設けられている点も倍率を押し上げる要因となっています。