相次ぐ生活必需品の値上げにより、消費者の財布の紐は固い。しかし興味深いことに、高品質なベーカリーの需要は衰えを見せていない。外食の機会を少し減らす代わりに、自宅で味わう朝食や休日のブランチをワンランク上のものにしたいという心理が働いているためだ。
1本1000円前後の高級食パンブームが落ち着いた今、主流となっているのは「毎日食べても飽きない、上質で適正な価格のパン」である。数百円の投資で得られる豊かな香りと至福の時間は、過酷な現代社会を生きる人々にとって手軽で効果的なリフレッシュ手段となっている。合理的な節約と、心を満たす投資のメリハリが、新しい購買行動の根底にある。