随神門をくぐり、急な下り坂である「継子坂(つぎこざか)」を降りると、清らかな祓川(はらいがわ)にかかる神橋と、岩肌を滑り落ちる「須賀の滝」が見えてきます。この水辺を過ぎた直後、五重塔の手前に突如として立ちはだかるのが、国の天然記念物に指定されている巨木「爺杉(じじすぎ)」です。
爺杉は樹齢推定1000年以上、幹周り約10メートル、樹高約48メートルを誇る山内屈指の巨木です。かつては祓川を挟んで「婆杉(ばばすぎ)」と呼ばれる対の巨木が存在していましたが、1902年(明治35年)の暴風雨によって惜しくも倒伏。現在は爺杉が一本、孤高の守護神のように五重塔の傍らに聳え立っています。
見上げるような爺杉の圧倒的な生命力と、その奥に佇む端正な五重塔のシルエットは、自然信仰と祈りの造形美が融合した羽黒山随一のフォトジェニックな景観を作り出しています。