築地を語る上でまず整理すべきなのが、「場内市場(じょうない)」と「場外市場(じょうがい)」の明確な違いです。この2つを混同していることが、「築地は消滅した」という誤解を生む最大の原因になっています。
場内市場は、東京都が開設していた公設の中央卸売市場でした。昭和10年(1935年)の開場から80年以上が経過し、施設の老朽化、敷地の狭隘化、トラック搬入に伴う物流の限界、徹底した温度管理(コールドチェーン)の難しさなど、現代の食品流通基準を満たすことが困難になったことが移転の理由と経緯です。これらを抜本的に解決するため、最新設備を備えた豊洲市場へ移転しました。
一方、場内市場に隣接して自発的に発展してきた商店街が「築地場外市場」です。場外市場は都の管轄下にある卸売市場ではなく、民間の独立した商業集積地であるため、豊洲移転後もそのまま築地に残り、現在も営業を続けています。