順風満帆に見えるこの店も、数年前には後継者不足と老朽化、さらに感染症拡大による客足の減少で廃業のフチに立たされていた。店を救ったのは、他業種で働いていた二代目店主の帰郷だった。
二代目は伝統の味とレトロな内装をそのまま守り抜く一方で、バックヤードのオペレーションを劇的に改革した。キャッシュレス決済の導入や仕入れルートの見直し、SNSでのリアルタイムな情報発信など、現代的な経営手法を密かに注入。古き良き雰囲気を壊すことなく、時代に合わせた利便性を確保することに成功したのだ。「親父が作ってきた味とこの場所の温もりだけは絶対に変えない。変わったのは、それをより多くの人に届けるための仕組みだけです」と二代目は力強く語る。