マッサージやもみほぐしを巡るネットの言説で、最も警戒すべき誤解が「痛ければ痛いほど効いている」「強揉みでゴリゴリほぐすのが正義」という思い込みです。
解剖学的な観点から見ると、強い圧で筋肉を無理やり押し潰す行為は、筋線維の微細な断裂を引き起こし、翌日以降の激しい筋肉痛や炎症(いわゆる重度の揉み返し)を招きます。さらに、過剰な刺激を受けた筋肉は防御反応として以前よりも硬く収縮してしまい、結果として慢性的なコリを悪化させる悪循環に陥るリスクがあります。
熟練したセラピストは、決して力任せに押すことはありません。体重移動を巧みに使い、呼吸に合わせて深層筋肉(インナーマッスル)へ持続的な圧を浸透させていきます。「もう少し強くしてほしい」と伝える際も、痛みを我慢するレベルではなく「心地よい圧迫感」を基準に伝えることが、身体を安全に整える鉄則です。