『Inspiration』の最大の魅力は、リードギタリストであるトニーノ・バリアルド(Tonino Baliardo)が奏でる、泣きのギターソロにあります。
ジプシー・キングスの代名詞といえば、複数台のフラメンコギターによる力強いストローク(ラスゲアード)と躍動感あふれるルンバ・フラメンカのリズムですが、『Inspiration』ではテンポを落とし、一音一音に深い感情を込めたメロディラインが展開されます。バリアルド家の血脈に流れるジプシー音楽の哀愁と、フラメンコ特有の繊細なヴィブラートやトリルが、聴く者の琴線を揺さぶります。
この名曲は、1987年にリリースされた彼らの世界的大ヒットアルバム『Gipsy Kings』(日本盤タイトル:『ジプシー・キングス』)に収録されています。同アルバムには世界を熱狂させたアップテンポナンバーだけでなく、この『Inspiration』のような叙情詩的インストゥルメンタルも収められており、バンドの音楽性の高さを証明する金字塔となっています。