『はだしのゲン』が物議を醸す際、焦点となるシーンは大きく分けて「原爆投下直後の凄惨な被爆描写」と「後半巻における旧日本軍の加害描写」の2つが存在します。
第1巻から第2巻にかけて描かれる原爆投下直後の広島では、熱線によって皮膚が焼けただれて垂れ下がる人々、目玉が飛び出た犠牲者、遺体に群がる無数のウジ虫など、極めて生々しい情景が克明に描写されています。多くの読者が幼少期に強烈な恐怖を覚えた「トラウマシーン」として挙げるのがこのパートです。
一方、出版後半(第7巻以降など)では、アジア諸国における旧日本軍の蛮行についての記述が登場します。作中では登場人物の語りなどを通じて、「妊婦の腹を切り裂いた」「赤ん坊を銃剣で突き刺した」「首切り競争をした」といった過激な残虐行為が絵とテキストで描かれており、これが「教育上不適切」「一方的な描写である」として批判の対象となりました。