アニメや漫画の平面イラストを飴細工キャラクターに落とし込む作業には、極めて高度なデザインの再解釈が必要とされる。プラスチックフィギュアや粘土細工とは異なり、砂糖の粘性と重力という物理的制約が常に付きまとうからだ。
最大の難関はパーツの自重による沈下である。例えば、頭部が巨大で胴体が細いキャラクターをそのまま再現しようとすれば、固まる前に飴の重みで首が折れてしまう。職人は、キャラクターのポーズや髪の毛の流れを利用し、構造的な補強線をデザインの中に滑り込ませる。
色付けの工程も緻密を極める。ベースとなる白い飴に食用色素を混ぜ合わせ、グラデーションを表現する。瞳や衣装の細かな紋様は、細筆を用いて筆描きされることが多い。飴の表面は体温や湿度に非常に敏感であるため、筆を入れるタイミング一つで仕上がりのツヤが大きく左右される。