食とは無縁の「たけちゃん」も存在する。三重県松阪市が生み出したゆるキャラ、その名も「たけちゃん」だ。松阪市には、江戸時代の探検家・松浦武四郎という人物がいた。彼は日本全国を旅した人物で、アイヌの人々の協力を得て北海道を6回にわたって探検した記録を多数の著作としてまとめ、国の重要文化財に指定されている。明治維新の際に「北海道」という名前を考案したことから、「北海道の名付け親」として広く知られている。そんな武四郎を親しみやすく紹介するために生まれたのが、マスコットキャラクター「たけちゃん」だ。
このたけちゃんは、歴史の教科書に登場するような人物を子どもたちにも身近に感じてもらうための存在だ。アイヌ文様をモチーフにした衣装を身にまとい、探検時に使用したフィールドノート「野帳」を手に携えている。松阪市が毎年2月に開催する「武四郎まつり」のシンボルとして、地域の文化振興を支え続けている。ゆるキャラが単なる観光PRのツールにとどまらず、地域の誇るべき歴史を次世代へ橋渡しする役割を担っている好例だ。