北方文学の金字塔として君臨するのが、足かけ16年にわたって書き継がれた『大水滸伝』シリーズです。原典の奇想天外な妖術や荒唐無稽な設定をすべて削ぎ落とし、腐敗した宋王朝に立ち向かう「梁山泊」の志士たちの血戦を描いた超弩級の歴史大河小説です。
全3部・計51巻に及ぶ壮大なスケールを誇るため、初読者が最も気にするのが北方謙三『水滸伝』の読む順番です。このシリーズは登場人物の成長、世代交代、そして国家の興亡が緻密に連続しているため、必ず以下の刊行順(作中時系列順)で読み進める必要があります。
【大水滸伝シリーズ一覧と読む順番】
① 『水滸伝』(全19巻)
シリーズの原点。宋江を首領とする108人の豪傑たちが梁山泊に集結し、理不尽な国家権力に対して反旗を翻す激闘を描きます。原典とは大きく異なる宋江や晁蓋の人物像、独自のオリジナルキャラクターの躍動が見どころです。
② 『楊令伝』(全15巻)
『水滸伝』の死闘から数年後、梁山泊の意志を受け継ぐ若き指導者・楊令(ようれい)を軸に描かれる第2部。新たに勃興する金国との熾烈な情報戦や経済戦など、スケールはさらに拡大します。
③ 『岳飛伝』(全17巻)
南宋の救国の英雄・岳飛をもう一人の主人公に据え、梁山泊の残党たちと国家の運命が交錯する大完結編。男たちが命を懸けて繋いできた「志」の行方が圧倒的な筆致で締めくくられます。
全巻を読了したときの達成感とカタルシスは他の追随を許しません。まずは『水滸伝』第1巻を手に取り、その熱い筆致に身を委ねてみるのが最短の入り口です。