「刺された瞬間に気づかない」のがトコジラミの恐ましさだ。彼らは唾液成分に含まれる麻酔物質と抗凝固剤を注入しながら吸血するため、夜間の就寝中に刺されても痛みや痒みで目が覚めることはほとんどない。
症状が現れるタイミングには大きな個人差と「タイムラグ」が存在する。
初めて刺された場合、体内でアレルギー抗体が作られるまでに数日から1週間ほどかかり、遅れて強烈な痒みが襲ってくる。一方で、過去に刺された経験がある人は、刺された翌日には中央に小さな出血点を伴う激しい丘疹(固く盛り上がった赤み)が多発する。ダニのように柔らかい腹部や太ももの内側を好む害虫とは異なり、トコジラミは露出した手首、足首、首筋、顔面を集中攻撃する点も大きな相違点だ。