2026年シーズンを迎えた現在、汰木康也はヴィッセル神戸の攻撃陣において代えの利かない戦術的キーマンとして君臨しています。吉田孝行監督が標榜するインテンシティの高さとスピーディーなサイドアタックにおいて、左サイドで起点となり局面を単独で打開できる彼の存在価値は、年々その重みを増しています。
サポーターの記憶に強く刻まれているのが、2026年3月2日の柏レイソル戦で直面した悪夢のアクシデントです。相手選手からの激しいチャージを受けてピッチに倒れ込み、救急搬送された結果、「左多発肋骨骨折および外傷性気胸」という重傷を負いました。全治約6〜8週間と診断されたこの負傷は、一歩間違えれば呼吸器系に深刻な後遺症を残しかねない極めて危険なものでした。
しかし、汰木は不屈のメンタリティで過酷なリハビリプログラムを消化。負傷からわずか約2カ月後には驚異的な回復力で実戦復帰を果たしました。復帰直後の公式戦で見せた迷いのない縦への仕掛けと、恐怖心を完全に払拭した鋭いアジリティは、ノエビアスタジアム神戸に集ったサポーターを熱狂させました。当時の取材に対し、チーム関係者は「トレーナー陣と綿密に組んだ体幹・呼吸機能の強化メニューを完璧にやり抜いた。フィジカルの数値は受傷前よりも向上していた」と明かしています。現在も怪我の影響を微塵も感じさせないキレのある動きで、サイドを切り裂き続けています。