日本の芸能史において「ハーフ」の存在がひとつのジャンルとして確立されたのは、1960年代後半から1970年代にかけてのことです。それ以前にも宝塚歌劇団出身者などにルーツを持つ表現者は存在していましたが、テレビのカラー化とともにビジュアルの華やかさが重視される時代へ突入し、昭和の元祖ハーフタレントたちが次々と脚光を浴びることとなりました。
資生堂の広告で日本人離れしたプロポーションを披露し世間に衝撃を与えた前田美波里をはじめ、圧倒的な歌唱力とダンスで一世を風靡した山本リンダ、さらには抜群のルックスで女性誌の表紙を飾り男性アイドル・俳優としてもトップに君臨した草刈正雄など、昭和のハーフモデルやアクターたちが道を切り拓きました。その後、1970年代に入ると女性アイドルグループやバラエティタレントの分野へとハーフの活躍の場が一気に広がっていきます。
歌手のシェリーやアン・ルイス、アグネス・ラムといった存在も、それぞれ異なるバックグラウンドを持ちながら、昭和のエンタメシーンに欠かせないアイコンとなりました。彼女たちの存在は、単なる外国人風の珍しさにとどまらず、最先端のファッションやポップカルチャーを象徴するフラグシップとしての役割を果たしていたのです。