驚くべきことに、現在の上野公園はほぼすべてが寺の敷地でした。信じられるでしょうか。上野動物園も、東京国立博物館も、東京都美術館も、すべてはかつての巨大な境内の中にすっぽりと収まってしまうのです。その広さはなんと約30万坪に及びました。
明治維新という時代の激動の中でその大部分が官有地となり、現在の公園へと姿を変えましたが、今でも公園のあちこちにその名残が散らばっています。西郷隆盛像のすぐ近くにある清水観音堂や、不忍池の弁天堂は、かつての巨大寺院のパーツが奇跡的に生き残った姿なのです。点と点がつながったとき、見慣れた上野の景色がまったく違うものに見えてきます。