『おでんくん』の凄みは、脇を固める登場人物たちの多層的な魅力にある。
ヒロインの「たまごちゃん」はアイドル的存在でありながら、時に計算高く、男たちを翻弄する。ライバルの「ジャガー」はお金持ちの御曹司で嫌味なキャラだが、実は人一倍の孤独を抱えている。そして、コアなファンを魅了してやまないのが「ガングロたまごちゃん」だ。煮込まれすぎて肌が黒くなった彼女は、ひねくれ者だが誰よりも友情に熱く、本音でしか生きられない。
「子供の頃は単に可愛いキャラアニメとして見ていたけれど、大人になって見返すと、おでん村の人間関係ってリアルな職場の縮図そのものなんですよね」。都内のデザイン事務所に勤める女性(25)はそう語る。善悪二元論ではない、人間のズルさや弱さをそのまま包み込む懐の深さが、これらのキャラクターには宿っている。