山口百恵が国民的スターへと上り詰めるにつれ、実父・久保茂氏の執着と暴走はエスカレートの一途をたどった。娘の成功を自らの金づるのように扱い、所属事務所であるホリプロに無断で百恵の肖像権や権利を外部へ売り込もうとしたり、マスコミに対して一方的な暴露話を流すなどの金銭トラブルを頻発させたのである。
父親という血縁を盾にした横暴に対し、若き百恵が決断したのは「法的な完全絶縁」だった。ホリプロの手厚いバックアップと顧問弁護士の介入により、当時の金額で数千万円から1億円近くに達するとされる莫大な解決金を支払い、実父との関係を完全に断ち切る契約を取り交わした。血の繋がりを札束で清算せざるを得なかったこの過酷な決断は、彼女の心に深い傷を残したと同時に、一人の自立した女性として生き抜くための揺るぎない覚悟を決定づけた。