時計の針を少し巻き戻そう。この企画の源流には、名手デヴィッド・S・ゴイヤーが手掛けた伝説的スクリプト『グリーン・アロー:エスケープ・フロム・スーパーマックス』が存在する。超能力者たちを収容するために設計された難攻不落のスーパーマックス刑務所を舞台に、無実の罪を着せられたオリバー・クイーンが知力と肉体を極限まで駆使して脱獄を図るという、あまりに尖った構想だった。
ゴイヤーが描いた世界観は、ヒーローが自らのアイデンティティを剥奪され、かつて自分が檻に送り込んだ無数の凶悪犯たちと隣り合わせで生き延びねばならないという、息詰まる心理戦と暴力のるつぼだった。当時のスタジオ体制ではそのダークすぎるトーンを持て余し、企画は長年のお蔵入りを余儀なくされたが、その野心的な骨格こそが、現代のクリエイターたちを惹きつけてやまない原動力となっている。