名古屋市市政資料館は、映像制作者の間で「近代建築の最高峰ロケ地」として知られています。特にNHK連続テレビ小説『虎に翼』では、主人公・猪爪寅子が通う明律大学の校舎や裁判所のシーンなどで効果的に登場し、全国的な聖地巡礼ブームを巻き起こしました。過去にも『花子とアン』『坂の上の雲』や名作映画の重厚な舞台として数多く起用されています。
館内最大の見どころは、エントランスを抜けた先に広がる「中央階段室」です。大理石の手すりと重厚な赤絨毯が敷かれた階段、そして頭上の天窓とステンドグラスから差し込む自然光の陰影は、息をのむ美しさを放ちます。
中央のステンドグラスを精緻に観察すると、上部に「公正の天秤」、中央部に「日輪」、左右に「鏡と剣」が配置されています。これは日本神話の三種の神器(鏡・剣・玉)と司法の公正さを融合させた意匠であり、罪を裁く場にふさわしい厳格さと美意識を体現しています。この壮麗な空間は、現在では写真映えスポットとして若い世代を惹きつけるだけでなく、一生の記念を残すフォトウェディング・前撮りの撮影地としても圧倒的な支持を集めています。