TSMCの進出は、地元の既存産業にも劇的な波及効果をもたらしている。これまで自動車関連や農業が中心であった地域産業に、半導体産業の巨大な生態系が突如として覆いかぶさった形だ。国内外から数多くの関連装置メーカーや素材メーカーが相次いで進出し、周辺の工業団地は空き区画がないほどの盛況を見せている。
こうした状況に対し、地元の地場企業もビジネスモデルの転換を迫られている。精密加工技術を持つ地元メーカーが半導体装置部品の受注に成功する一方で、従来の主要取引先との価格交渉や人材確保の難航に頭を悩ませる事業者も少なくない。産業全体の裾野が広がる一方で、旧来の産業構造からの滑らかな移行を図る調整弁が求められている。