スタジアムの空気が一変した。2015年2月、インディアナポリスで開催されたNFLスカウティング・コンバインの会場。コネチカット大学出身のディフェンシブバック、バイロン・ジョーンズが測定マットの前に立った。
腕を大きく後方へ引き、深いタメを作った次の瞬間、彼の身体は弾丸のように前方へと放たれた。着地と同時に響くどよめき。測定テープが示した記録は12フィート3インチ——メートル法に換算して3.73メートル。
ナショナル・フットボール・リーグのスカウト陣のみならず、中継していたNFL Networkの解説陣も言葉を失った。それまでノルウェーのアルネ・トヴェルヴァーグが1968年に樹立した3.71メートルという半世紀近く破られなかった大記録を、一人のフットボール選手が塗り替えた歴史的瞬間だった。