茨城スタミナの歴史を紐解く上で、決して外すことのできない伝説の人物がいる。創業者である長井順一氏だ。1970年代、勝田駅近くの店から始まった試みは、後に水戸市へと拠点を移し、名店スタミナラーメン松五郎として多くの弟子とフォロワーを育てることとなった。
当時、学生や肉体労働者に「安くて美味しく、腹一杯栄養をつけてほしい」という純粋な想いから、本格的な中華料理の調理技法をベースに独自のメニュー開発が進められた。安価で栄養価の高いレバーを用い、独特の臭みを消すために油通しを徹底。甘さと辛さ、そして野菜の歯ごたえが最も際立つ黄金比の餡が生み出された。
「熱いスープだと夏場に麺が伸びてしまう」という客の声に耳を傾け、冷水で締めた麺に熱々の具材餡をかけるという逆転の発想が誕生。この柔軟な職人魂が、茨城独自の食文化を決定づけた。