経済学の基本モデルでは、買い手と売り手が自由に取引を行えば、価格の上下動(市場メカニズム)によって過不足なく商品が行き渡るとされています。誰もが自己の利益を追求して行動しているにもかかわらず、結果として社会全体の厚生が最大化される状態です。
ところが、現実の取引環境には「自由かつ完全な競争」を阻害する様々な要因が存在します。市場に任せきりにした結果、環境汚染が放置されたり、必需品が高額で買い占められたり、採算が取れない防犯インフラが整備されなかったりする事態が発生します。これが「市場の失敗」が起きる根本的な背景です。
高校の「公共」や「政治・経済」の授業で必ず登場する通り、資本主義は市場の失敗を放置したままでは成立しません。だからこそ、国や自治体といった公的機関が法律や税制を通じてルールを設計し、市場を補正する必要が生まれます。