世間から最も厳しい視線が注がれる要素の一つが、宗教法人の税制優遇措置です。「宗教団体は一切税金を払っていない」と誤認される場面も少なくありませんが、税法上の規定は活動内容によって厳密に区分されています。
税優遇の根幹にあるのは、宗教活動が憲法第20条で保障された「信教の自由」に直結し、営利を目的としない公益的な活動であるという建前です。具体的には以下のようなルールで運用されています。
- 非課税となる対象:お布施、戒名料、祈願料、玉串料、献金、会費など(宗教固有の儀式・教化活動に対する喜捨)
- 固定資産税の免除:本堂、社殿、礼拝堂、境内地など、宗教本来の用に供されている土地・建物
- 課税される対象(収益事業):駐車場経営、賃貸マンション、物品販売、宿泊業など法人税法上の34業種(ただし一般企業より低い軽減税率約19%が適用)
役員や僧侶、牧師が受け取る給与(宗教法人からの役員報酬)には、一般の会社員と同様に所得税や住民税が課税されます。
かつては税制優遇を目当てにした「ペーパー宗教法人」の売買が横行した時期もありました。しかし、所轄庁(都道府県知事または文部科学大臣)による宗教法人設立手続きの審査は近年きわめて厳格化しています。礼拝施設の実在、継続的な宗教活動実績(概ね3年以上の任意団体としての実績)、適正な財産基盤が確認できなければ認証が下りない仕組みが徹底されています。