骨格構造を知ることは、デフォルメされたイラストを描く上でも最強の武器となる。亀の身体構造は他の脊椎動物と異なり、なんと肋骨が変化して甲羅の外側と一体化しているという特異な進化を遂げている。この事実は、キャラクターデザインの現場において極めて重要な示唆を与える。
専門的な生物解剖図を参照すると、首が甲羅の中に「S字型」あるいは「側面折りたたみ式」で収納される仕組みや、肩甲骨が甲羅の内側に配置されていることがよくわかる。この内部構造を理解していれば、首を伸ばしたアクションポーズや甲羅に閉じこもるコミカルな表現を描く際にも、不自然さのない自然なフォルムを構築できる。
実在の骨格にファンタジー要素を掛け合わせることで、オリジナルキャラクターの発想は無限に広がる。甲羅の甲板を機械の装甲パーツに見立てるメカニカルデザインや、甲羅の上に小さな生態系や城を載せる幻想的なコンセプトアートなど、解剖学的な知見に基づいた嘘のつき方こそが、見る者を惹きつけるデザインを生み出す原動力となる。