フランス・パリのルーヴル美術館が誇る『モナ・リザ』や『岩窟の聖母』で見られる、グラデーションによる独特のぼかし技法(スフマート)。ルーヴルに保管されている大量のダ・ヴィンチの手記と、ミラノの壁画から得られた最新のデジタルスキャンデータを照合する作業が日仏共同で実施された。
比較研究から浮かび上がったのは、ルーヴル所蔵の手記に残された幾何学スケッチと、ミラノの壁画における空間比率がパズルのように一致するという驚くべき事実だ。ダ・ヴィンチは単なる壁画としてではなく、自身の生涯をかけた万物の法則に関する巨大な思考実験の場として、この食堂の壁面を選んだに違いない。