近代化が進む札幌都心部において、中央バス札幌ターミナルの地下1階に足を踏み入れると、そこにはまるで昭和40〜50年代で時が止まったかのような中央バス札幌ターミナル地下食堂街が広がっています。1966(昭和41)年のターミナルビル開業当時の面影を色濃く残すこのエリアは、バス利用者のみならず、近隣で働くオフィスワーカーの胃袋を支え続けてきたディープな名所です。
暖簾をくぐると漂う出汁の香りと炒め油の匂い。カウンター越しに店主と常連客が言葉を交わす空間には、現代の大手チェーン店では味わえない温かみがあります。看板メニューとして名高い大衆食堂の「日替わり定食」や、注文から数分で提供される「昔ながらの醤油ラーメン」「かけそば」は、いずれもリーズナブルな価格設定が維持されています。
地元FM局の番組やタウン誌の取材で長年取り上げられてきた老舗喫茶店では、サイフォンで淹れる深煎りコーヒーとトーストセットが提供され、出発前の読書やPC作業に落ち着いた時間を提供してくれます。きらびやかな観光地化されたグルメスポットとは一線を画す、「札幌のリアルな生活史」を五感で体感できる場所として、バスに乗る予定がない日でもわざわざ訪れる価値がある空間です。